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自閉症の子が自分の気持ちや考えをうまく話せない3つの理由とは?

自閉症の子が自分の気持ちや考えをうまく話せない3つの理由とは?

こんにちは、平良です。

自閉症スペクトラムの子どもたちは、自分の気持ちや考えを相手に話すことが苦手です。

では、なぜ話すことができないのでしょうか?

それは、自閉症の診断基準でもあるコミュニケーションに障害があるからなんですね。

今日は、発達障がい、中でも自閉症スペクトラムの子どもが、自分の気持ちや考えを話せない理由について書きますので、よろしくお願いします。

自分の考えを話せない理由。

  • 視覚的優位な思考のため。
  • 想像力の問題。
  • 実行機能の問題。
以上の3つが、主な要因です。1つひとつ説明していきますね。

Check視覚的優位な思考とは?
普通、定型発達の子は、無意識に言語(言葉)だけで考えるように脳ができています。しかし、自閉症スペクトラムの子の多くは、言葉ではなく頭の中で絵を描いたり、デッサンをして考える特性があるのです。

言語ではなく頭の中で絵を描いたり、設計図を描いたり、デッサンをして考える特性があると、それを言語化するために時間がかかってしまったり、適切な言葉を選び文章にすることができなかったりするんですね。

Check想像力の問題
自閉症の特徴でよく耳にすることがある「想像力の欠如の問題」は、あらゆる場面で子どもたちに困難をもたらします。私たちは先を読む力や見えないものを、意識せずに自動的に想像することができます。

しかし自閉症スペクトラムの子どもは、これができないのです(※子どもによって想像力の差はありますし、自分の中での想像力は豊かです。また成長に伴って徐々に想像できるようになることもあります)。

想像力に問題があると、相手から質問されたことを、相手の意図を汲み取りながら、また言葉の概念や意味を想像しながら考えることができず、結局話すことができなくなってしまうんですね。

Check実行機能の問題
実行機能とは、自分の考えを順序立てて整理し、それを順番に並べて実行(伝える)ことです。自閉症スペクトラムの子どもは、この実行機能に問題があったり、苦手だったりするので、自分の気持ちや考えを整理して、相手に伝えるということができないんですね。

高機能自閉症の子どもの発話は、流暢で文法的な誤りもほとんどないことが多いのですが、以下のような特徴が見られることがあります。

  • 言葉遣いや口調が妙に大人びていたり、熟語や格式ばった堅苦しい言い回しを多用する(例:「バンソーコーは、傷を負ったときに貼るもの。いつのまにか傷ができているのに痛覚が感じないこともあるよ」)。

  • どこかからそのまま借りてきたような表現を使う(例:難しい質問をされて「この問題、やったことがなくて(僕は)なんかビクビクしてたのでした」とお気に入りの絵本の口調で言う)。

  • 必要以上に細かい情報にこだわって話す(例:「近所のおばさん」と言えばすむものを「うちから南の方へ4軒先の、駐車場の間にはさまれた家のおばさん」と説明する)。

  • 声の大きさの調整が下手で、必要以上に大きな声で話したり小声で話すことがある。平板で一本調子の話し方をしたり、逆に不自然なほど大仰な抑揚で話す。また、アニメの登場人物などの声の調子や口調で話してしまうこともある。
何より困るのは、肝心の自分の意見や気持ちをうまく表現できないことです。高機能自閉症の子どもは機械的記憶にすぐれ、図鑑から得た知識を披露したりテレビで得た情報を受け売りするときには、詳細かつ流暢に話すことができますが、

手本がない状態で自分の気持ちや考えを表すことばを見つけ、文章を順序立てて構成することが苦手です。簡単なことでさえ適切に表現できないことがあり、たとえば本当の意図は「ドラえもんの映画を見に行きたい」という要求なのに、「ドラえもんの映画は○月×日からです」と事実を述べることしかできず、相手に要求を理解してもらえなかったりします。子どもが本当は何を伝えたいのか(コミュニケーションの意図)をこちらが読み取って、適切な表現の見本を示してあげることが大切です。

<内山登紀夫・水野薫・吉田朋子著/高機能自閉症・アスペルガー症候群入門―正しい理解と対応のためにより>


実際にあったこと。

ある日、私が小学校でボランティアのカウンセラーをしていたときのこと。ある女の子が先生から、「言いたいことがあったら自分で考えて言わないとダメだよ」と注意されている場面に偶然遭遇しました。

後日、私が女の子に声をかけて話を聴くとて、「話しをするのが苦手なのにみんなわかってくれない。」と言って困った顔をしていました。

この子の特性のことは母親から聞いていたので、翌日その先生に話しをして、なぜ女の子が自分の気持ちや考えを話せないのか説明し、アドバイスをしたんですね。

この先生は理解の早い先生で、私の説明に納得し、その後は代弁をしてあげたり、質問をなるべくしないようにしたり、わかりやすく答えやすいように言葉がけを配慮したりしていました。

最後に

自閉症スペクトラムの子どもは、脳の特性によって、情報を受けとる方法が私たちと違います。言葉よりも目から入ってくる視覚情報が優位となり、彼らにとって一番理解しやすいのが視覚からの情報なのです。

また成長に伴って言葉を理解する能力は身についてきますが、自分の頭の中で適切な言葉を選び、文章にするために整理して伝えること、自分の気持ちや考えを話すことが、とても難しいのです。

自閉症スペクトラムの子が話すことに困っている時は、子どもが順序立ててうまく話せるように、こちら側が配慮する必要があります。

どんなに配慮をしても、うまく話せないことがありますが、そのような時でも絶対叱らずに、話しやすいように工夫をしてゆっくり待ってあげたり、子どもが言いたいことを察して代弁をすることが必要でしょう。

配慮のないコミュニケーションは、ある意味ネグレクトです。子どもたちが困らないよう、周囲の大人がコミュニケーションに配慮してあげることが何より大切ことなんですね。

⇒参考記事:自閉症のわかりやすい認知特性についてはこちらのページをごらんください。

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