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発達障がい子育て支援ブログ-オアシスの木

保育園・幼稚園・小学校での支援と方法

発達障がいの子どもが質問にうまく答えられない8つの理由と支援のポイント。

発達障がいの子どもが質問にうまく答えられない8つの理由と支援のポイント。

こんにちは、平良です。

発達障がいの子どもたちの中には、質問をされてもうまく答えられない子がいます。

お父さんやお母さんから「今日幼稚園でなにをしたの?」「学校で楽しいことはあった?」と聴いても、答えられない子。

幼稚園や小学校で、先生が授業中に質問をしても、答えられなかったり、黙り込んだり、全く関係のない返答をしたりする子がいます。

なぜ、質問にうまく答えられないのでしょうか?

質問に答えられない主な理由。

  • そもそも話しを聞いていない。
  • 話の内容が理解できない。
  • 質問の内容を覚えていない。
  • 記憶を呼び出すことができない。
  • 視覚的優位な思考のため。
  • 想像力の問題。
  • 実行機能の問題。
  • 人前で話すことが苦手。
以上の8つが、主な要因です。1つひとつ説明していきますね。

Checkそもそも話しを聞いていない。
発達障がいの中でも、特にADHDの子どものように(自閉症・広汎性発達障害・アスペルガー・LDの子にもみられます)、集中力が続かない・次々に興味が移り変わっていく子どもは、親の話し、人の話し、先生の話をきちんと最初から最後まで聞いていないことがあります(正しくは聞いていれらない)。

※興味が移り変わりやすい子・例えば、積み木で遊んでいたのに、そばにあったブロックが目に入るとすぐり興味が移ってしまう子のような特性を、「転導性」といいます。転導性が高い子は、ひとつのことに集中することが苦手で、次々に興味が移ります。自閉症スペクトラムの子が自分の気持ちや考えを話せない理由については、こちらの記事をご覧ください。

Check話しの内容が理解できない。
発達障がいの子、特に自閉症スペクトラムの子どもは、たくさんの情報を脳で処理することがとても苦手です。個人差や年齢によっても違いますが、ひとつひとつ具体的に、明確に、短く、イメージできるように話さないと、話の内容を理解することができないんですね(イメージ化することについては想像力の問題です)。

話が長くなりそうなとき、質問が長くなりそうなときは、必ず短く区切って、ひとつひとつ具体的に、明確に、子どもがイメージできるように質問することが大切です。

Check質問の内容を覚えていない。
ワーキングメモリー(短期記憶)の容量が少ないため、今言われたことや、質問が多かったり、言葉が長かったりすると、最初の方を忘れて最後の言葉だけを覚えてしまったり、全部忘れてしまったりすることがあります。

Check記憶を呼び出すことができない。

一番古い記憶はなんですかときかれると、つい、答えにつまってしまう。私のアタマの中では、記憶のほとんどが写真みたいな静止画像としてしまわれているのだが、やっかいなことに、この写真は、台紙に貼られていない。さらに、画面の片隅に、日付も入っていない。とにかく順不同にせんべいの空き缶(焼き海苔の空き缶でも可。味付け海苔ではダメ)に放り込んであるだけなので、新旧の区別があまり定かではない。

片隅に日付が入っていないと、日常生活にも不便なことがある。たとえば、私はよく、ついさっきお風呂に入ったかどうかがわからなくなってしまうのだが、それは、お風呂に入ったことを覚えていられないからではない。

お風呂に入った時の画像はたくさん出てくるのだが、なにしろ、昨日だっておとといだって先週だって先月だって去年だってお風呂に入っているのだから、似たような画像がたくさんありすぎるのだ。たくさんありすぎて、その中に今日撮影された画像があるかが検出できない。

(俺ルール!―自閉は急に止まれない/ニキ・リンコ著)

ニキ・リンコさんは、高機能自閉症の当事者です。

自閉症スペクトラムの人たちの中には(全員がそうではない)、体験したことを言語ではなく映像や画像で記憶する特性をもっている子どもがいます。

ニキさんも著書で記しているように、画像で記憶されたものは、いつ、どこで、何をしていた時の記憶なのか整理しながら記憶することができず、しかも同じような画像がたくさんあるため、質問をされても記憶を呼び出すことができないのです。

決して忘れているわけではなく、記憶の整理が自動的にできないということなんですね。

Check視覚的優位な思考とは?
普通、定型発達の子は、無意識に言語(言葉)だけで考えるように脳ができています。しかし、自閉症スペクトラムの子の多くは、言葉ではなく頭の中で絵を描いたり、デッサンをして考える特性があるのです。

言語ではなく頭の中で絵を描いたり、設計図を描いたり、デッサンをして考える特性があると、それを言語化するために時間がかかってしまったり、適切な言葉を選び文章にすることができなかったりするんですね。

Check想像力の問題
発達障がい、特に自閉症スペクトラムの特徴でよく耳にすることがある「想像力の欠如の問題」は、あらゆる場面で子どもたちに困難をもたらします。私たちは先を読む力や見えないものを、意識せずに自動的に想像することができます。

しかし自閉症スペクトラムの子どもは、これができないのです(※子どもによって想像力の差はありますし、自分の中での想像力は豊かです。また成長に伴って徐々に想像できるようになることもあります)。

想像力に問題があると、相手から質問されたことを、相手の意図を汲み取りながら、また言葉の概念や意味を想像することができないため、質問を理解することができない場合があるのです。

想像力に問題がある子の場合には、絵を描いて説明をしたり、イメージ化してあげることが大切なんですね。

Check実行機能の問題
実行機能とは、自分の考えを順序立てて整理し、それを順番に並べて実行(伝える)ことです。発達障がいの子どもの中には、この実行機能に問題があったり、苦手だったりする子がいて、自分の気持ちや考えを整理して、相手に伝えるという一連の作業ができないんですね。

自閉症スペクトラムの子が自分の気持ちや考えを話せない理由については、こちらの記事をご覧ください。

Check人前で話すことが苦手
大勢の子どもたちがいると不安や緊張に襲われたり、人前で話すことが苦手な子がいます。これは抑制的な気質や不安になりやすい自閉症スペクトラムの特性が要因となっていることが多く、また中には不安障害を発症している子もいます。

無理に人前で話させると、さらに悪化してしまう可能性があるので、周囲の大人の配慮が必要になります。

最後に

発達障がいの子どもが、質問に答えられない理由は、私が書いた8つの理由がほとんどだと思います。ただし、8つのうち、理由が1つだけの場合もあれば、2つ、3つと重複していることが多いものです。

特に自閉症スペクトラムの子の中には、すべてが要因となって質問に答えることができない子もいます。

発達障がいの子が、質問に答えられないのは、やる気がないわけではなく、頭が悪いわけでもなく、しつけの問題でもありません。

子ども自身ではどうにもならない、脳の特性によることが要因なのです。

発達が気になる子、発達障がいの子どもに質問をするときは、子ども一人ひとりの特性を事前に見極めた上で、大人が配慮をして質問をしてあげないと、子どもたちはとても困ってしまいます。

足が不自由な人に無理やりサッカーをやらせるのと同じなんですね。

特に注意したいのが、尋問です。尋問は発達障がいの子どもを精神的に追い詰めるだけなので、絶対にしないでください。また答えられないことを責めたりすることも絶対にNGです。

「答えられなくても大丈夫」という安心感を支援者がつくってあげること、そして答えられなかったときでも、子どもにとって失敗体験とならないようなフォローや気配りが必要です。

周囲の大人が配慮をしても、うまく質問に答えられないことがありますが、そのような時でも絶対叱らずに、答えやすいように工夫をしてゆっくり待ってあげたり、子どもが言いたいことを察して代弁をすることが大切です。

そして答えられたときは、褒めてあげること、「答えてくれてありがとう」というあたたかいメッセージを子どもに伝えましょう。

配慮のない質問は、ある意味ネグレクトだということを常に意識し、子どもたちが困らないよう、周囲の大人がお膳立てをしたり、配慮をしてあげることが何より大切ことなんですね。

自閉症スペクトラムの子が自分の気持ちや考えを話せない理由については、こちらの記事をご覧ください。

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