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特徴と理解

あいさつができない自閉症の子の特性について知っておきたい理解と対応

あいさつができない自閉症の子の特性について知っておきたい理解と対応

こんにちは、平良です。

自閉症スペクトラムの子どもたちは、あいさつができない、あいさつが苦手です。

なぜ、あいさつができないのでしょうか?

それは、自閉症スペクトラムの診断基準でもあるコミュニケーションに障害があるからです。

今日は、発達障がい、中でも自閉症スペクトラムの子どもが、あいさつができない・あいさつが苦手な理由について書きますね。

子どもがあいさつをできない理由。

  • 視覚的優位な思考のため。
  • 想像力の問題。
  • 実行機能の問題。
以上の3つが、主な要因ですが、視覚的優位な思考と実行機能の問題は、こちらのページに詳しく書いてるので、今日は、想像力の問題を中心に、子どもがあいさつをできない理由を書いていきます。

Checkあいさつができない一番の理由は想像力の問題
自閉症の特徴でよく耳にすることがある「想像力の欠如の問題」は、あらゆる場面で子どもたちに困難をもたらします。私たちは先を読む力や見えないものを、意識せずに自動的に想像することができます。

しかし自閉症スペクトラムの子どもは、これができないのです(※子どもによって想像力の差はありますし、自分の中での想像力は豊かです。また成長に伴って徐々に想像できるようになることもあります)。

想像力に問題があると、その場の状況や空気を適切に判断することができません。また相手の意図を汲み取りながら、言葉の概念や意味を想像しながら、状況に合った適切な言葉を頭に描くことができなくなるため、あいさつができないのです。

私たち定型発達の人は、あまり意識しなくても自動的に、その場の状況や場の空気を察知して、今自分は何をするべきか判断することができるのですが、自閉症スペクトラムの子どもは(大人も)、このようなことが自動的にできないのです(※いわゆるKYとはレベルが違います)。

ですから、あいさつができなかったり、逆に型にはまったように機械的にあいさつをしてしまうわけです。

発達障がいの専門家として有名な本田秀夫先生は、著書の中でこう記しています。

自閉症スペクトラムの人たちの多くは、4~5歳だと、まだ自発的にきちんと挨拶をすることはできません。しかし、大人になると、職場などでの挨拶はある程度上手にできるようになります。いったんできるようになってしまえば、いつからできるようになったかは問題にはなりません。ところが、まだ挨拶ができない時期に、親や周囲の人たちは、それを問題にするのです。
私の印象では、自閉症スペクトラムの人が回りに目を向けて、社会的に行動することに気を配り始めるのは、多くは中学生以降です。5歳頃、ほかの子どもたちがにこやかに挨拶を交わしている中で、自閉症スペクトラムの子どもは挨拶を無視してしまったり、挨拶などしないでいきなり各論に入ってしまったりするわけです。そうすると親は気にして、「きちんと挨拶をしなさい」と言って、頭を押さえつけて挨拶させようとしたります。

本人がまだ挨拶をすることの重要さが理解できていない段階で、無理に挨拶をさせても、定着しません。自閉症スペクトラムの子どもたちは、小学生くらいまでは、朝礼などで改まって号令をかけられたときなどに挨拶ができていれば上出来です。普段の何気ない場面では出会っても、挨拶はできないことの方が多いです。このようなときに、「まずは挨拶を」というのは、自閉症スペクトラムの子どもにはちょっと要求水準が高すぎます。挨拶ぬきでいきなり各論的な話や遊びに入っても構わないのです。

自閉症スペクトラム -10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体- (ソフトバンク新書)/本田秀夫著より〉


実際にあったこと。

私が仕事でかかわった福祉事業所で実際にあったことですが、高校生の自閉症の子に、「おはようございます」という朝のあいさつを教えたところ、状況に応じて、また人を選んで柔軟にあいさつをすることができず、朝出会ったすべての人に「おはようございます」と言うようになってしまったのです。

これは、自閉症スペクトラムに多くみられる「般化」の問題なのですが(朝=人=挨拶と強く結びつけて学習をしてしまった)、この高校生のように、一度学習すると律儀にあいさつをするようになってしまうことがあるのです(子どもによって、成長段階によっても違います)。

また、これは私が法律家としてかかわったアスペルガー症候群の男性の例ですが、離婚の問題で私と一緒に公証役場へ行ったとき、手続きが無事に終了した後、公証役場の方から「お疲れ様でした」と言われ、その男性も「お疲れ様した」と返事をしたんですね。

通常なら「ありがとうございました」と言う場面なのですが、この男性は職場で働く同僚に「お疲れ様でした」と言われたら、「お疲れ様でした」返事をすることを学習したので、職場外でも「お疲れさまでした」と言われると、疑問に思うことなく「お疲れ様でした」と挨拶してしまうんですね(本人と話して確かめました)。

最後に

自閉症スペクトラムの子どもが、挨拶ができない、あいさつが苦手な理由は、脳の特性によることが要因です。わざと無視をしたり、あいさつをしたくないわけではないんですね。

本田先生もおっしゃっているように、小学校6年生までは、無理にあいさつをさせても、定着は難しいですし、子どもの脳がまだ未発達な段階での訓練は、苦痛でしかないので、無理やりあいさつをさせることは、絶対にやめた方がいいでしょう。

成長に伴って、少しずつ周囲に意識が向くようになり、その場の状況を学習・記憶していくことで、必ずあいさつができるようになります。

ですから、親をはじめ周囲の大人は、子どもの成長をゆっくりあたたかく見守りながら、適切な時期に、適切な場面であいさつの仕方を教えてあげることが大切なんですね。

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