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発達障がい子育て支援ブログ-オアシスの木

子どものかんしゃくとパニックについて

発達障害の子どものかんしゃくを減らす理解と対応とは?

発達障害の子どものかんしゃくを減らす理解と対応とは?

こんにちは、平良です。

子どもがすぐ“かんしゃく”を起こす、すぐキレる、怒り出したらとまらないなど、日々子どものかんしゃくで悩んでいる全国のお母さんやお父さんから、相談をいただくことがあります。

子どもがかんしゃくを起こしてしまうのは、家庭の問題、愛着関係の問題・虐待・ネグレクト・遺伝的な気質の問題など様々な要因がありますが、

中でも、発達障がいの子ども(自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害・ADHD・LDなど)、特に保育園・幼稚園児、小学生、中学生がかんしゃくを起こす理由は、脳の特性(思考の柔軟性)と自己防衛反応、欲求不満耐性、ストレス耐性の4つと、発達障がいの脳の特性が主な要因です。

発達障がいがあるか、ないかにかかわらず、子どもにかんしゃくを起こさせないためには、かんしゃくが起きないようにするための理解と配慮、そして子どもがかんしゃくを起こした後の、効果的な対応ができれば、かんしゃくを減らすことができるんですね。

今日は、子どもがかんしゃくを起こす4つの要因について1つひとつ考えてみましょう。

思考の柔軟性とは?

私たち人間は、何か出来事があると次のような流れで、感情や行動が生み出されます。

①出来事⇒②受止め方⇒③感情と行動

かんしゃくを起こす思考の例
①おもちゃがない⇒②あるはずなのになんでだよ!⇒③怒って暴言を吐く

①スーパーへ買い物へ⇒②なんでお菓子を買ってくれないの!⇒③怒って暴れる

かんしゃくを起こさない思考の例
①おもちゃがない⇒②友達が使っているなら仕方ない待ってみよう⇒③静かに待つ

①スーパーへ買い物へ⇒②お菓子を買ってもらえないなら仕方がない。次に買ってもらおう⇒③静かにお買い物

かんしゃくを起こす思考の例とかんしゃくを起こさない思考の例を読み比べてみると、すぐにわかると思いますが、②の受止め方次第で、私たち人間の感情と行動は大きく違ってくるのです。

人は、受止め方(心理学では「ビリーフ」といいます)で、かんしゃくや不安・イライラのようなマイナス感情にもなるし、楽しい・うれしい・良かったなど、プラスの感情にもなれるというわけです。

なぜ思考の柔軟性がないのか?

アスペルガー症候群や自閉症、ADHDなどの子どもは、受止め方が凝り固まっている傾向があります。

例えば、自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害という自閉症スペクトラムの人たちには次のような脳の特性があります。

  • 先の見通しが立てられない。
  • 複数のことを同時に考えられない。
  • もし○○なら・・・と考えられない。
  • ものごとに対する強いこだわり。
  • 相手の気持ちやその場の空気を読んだり想像することが苦手。
  • ものごとを順序だてて考えることが苦手。
  • 1つのことに集中すると他のことはまったく見えなくなる。
  • 自分の気持ちや考えを相手に伝えることが苦手
  • すぐに忘れる。
  • 衝動的に動いてしまう。
  • 不注意が多い。
  • 時間の流れがわからない。
  • 聴覚・触覚・視覚・嗅覚・味覚が過敏。
  • 嫌な体験を忘れることができない。
  • 片づけができない。
  • 言葉より視覚からの情報処理に優れている。
  • ルールが理解できない。
  • 暗黙の了解がわからない。
  • 正直で素直なので騙されやすい。
  • 自分で計画をして実行できない。
※上記はほんの一例です。

このような脳の特性があると思考が柔軟に働かなくなるために、自分が思っていたことと違う結果になったり、自分がやりたいことができなかったり、

自分の思い通りにならなかったり、「だめ・いや・来ないで」など否定的な言葉を言われたとき、あそんでいる時や何かに夢中になっているときなどにそれを急に止められると、かんしゃくを起こしてしまうのです。

例えば、大人にもいますが、いわゆる“鍋奉行”の人は、鍋の作り方にこだわりがあるので、勝手に野菜や魚介類を入れると怒ったりします(笑)。

また、締め切りに終われて仕事に集中しているときに、誰かに邪魔をされるとイライラしますよね。

発達障がいの子どものかんしゃくは、このような鍋奉行や締め切り前の大人より、もっともっと強く激しい感情と考えてもらえると分かりやすいのではないでしょうか。

自己防衛反応とは?

発達障がいの子どもたちは、私たちが日頃感じることができない、様々なストレスとフラストレーションを常に抱えています。

ある高機能自閉症スペクトラムの男性とADHDの女性は、「毎日真っ暗な中を生きているようで不安」と言っていました。

また、発達障がいの子どもたちは、周囲の子が比較的容易にできることも、発達障がいの特性を知らない大人には理解できない、多大な努力と労力を強いられていることが多いんですね。

たとえば、勉強を嫌がって学校へ行くのを拒否したり、授業中にかんしゃくを起こす子の中には、文字や言語での先生の指導に脳の情報処理が追いつかず疲れてしまい、かんしゃくを起こしやすい状態になっている子どもがいます。

また手先に力が入らないため、鉛筆をしっかり持つことができない、鉛筆を持つこと自体ものすごい労力を必要とするため、勉強を嫌がってかんしゃくを起こす子もいます。

身体の性質上、姿勢を保つことができないため、座っているだけで疲れ、かなりきつい状態なのに姿勢を注意されて苦痛を強いられている子もいます。

全体活動が不安でたまらないのに、きつい指導で参加させられて辛い思いをしている子もいます。

1日のスケジュールを子どもがわかるように提示してくれないために、不安でたまらない子もいます。

雑談が苦手なのにグループ学習をさせられて、不安と恐怖で硬直してしまう子もいます。

言葉の処理が苦手なのに、たくさんの言葉で指示をされ、早口で話されたりして、ストレスを感じ疲れている子がいます。

視覚や聴覚などの感覚が過敏な子どもにとって、幼稚園や小学校に入るだけ、いるだけで苦痛を感じている子もいます。

先の見通しが立てられない発達障がいの子にとって、周囲の子があたり前のようにできることも、不安で不安でたまりません。

言われなくてもわかるルールが読み取れず、どうしたらいいかわかならくなり不安を感じている子もいます。

同年代の子が苦手な自閉症の子は、幼稚園や小学校は不安を超えて恐怖に感じている子もいます。

苦痛や不安・恐怖の要因は、本当にたくさんあります。

これらの要因を1つひとつ取り除いてあげることが、自己防衛反応(不安や恐怖から自分を守るための言動)を起こさせないためには絶対に必要なことであり、子どもの自尊心を高めるひとつの要因になるんですね。

欲求不満耐性とは?

欲求不満耐性とは、「こうしたい」「おもちゃが買いたい」「あれがほしい」などの欲求に耐える力・我慢する力のことをいいます。

乳幼児期の子は、自分の欲求に対して我慢する力が弱いのですが、発達障がいの子は、脳の機能不全が要因で発達が遅いため、他の同年代の子に比べて欲求に耐える力が弱いので、自分の思い通りにならないとかんしゃくを起こしてしまうのです。

ストレス耐性とは?

ストレス耐性とは、刺激に耐える力のことをいいます。通常子どもは、嫌なこと・やりたくないことに対して耐える力が弱いのですが、年相応に合った刺激には何とか耐えられるものです。

しかし、発達障がいの子は、脳の機能不全が要因で発達が遅いためと、このページの自己防衛反応の説明に書いたように、常にストレスを抱えた状態にあるため、定型発達の子に比べて3、4歳、子どもによってはさらにもっとストレスに耐える力が弱いのです。

怒りは、自分を守るためにある本能的な防衛反応です。人は不安や恐怖から身を守るために怒ることがありますが、発達障がいの子どもたちは、脳の機能不全が要因となって不安や恐怖を抱えやすく、また定型発達の子に比べて成長が遅いため、我慢をする力(自分の欲求に耐える力)・ストレスに耐える力が弱いために、怒ることで自分を守ろうとするのです。

かんしゃくを治す詳しい方法は、専門医の意見を踏まえたこちらのページをご覧ください(図解入りで説明しています)。

かんしゃくを起こさせないためには

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発達が気になる子のかんしゃくは、発達障がいの特性と欲求不満耐性(我慢する力)、ストレス耐性(ストレスに耐える力)、子ども自身が持っている特性と、環境(親・先生・子ども・家庭・園・学校など)が刺激し合って、思考の柔軟性の問題と自己防衛反応が生じ、かんしゃくやパニックが引き起こされます。

ですから、子ども自身でかんしゃくを起こさないようになるのはとても難しいため、親や先生など周囲の人の理解と対応が必要になります。

せめて小学校を卒業するまでは、できるだけ頻繁にかんしゃくを起こさせないことが、中学生以降の人格形成や怒りやすくならない、自尊心を高め、柔軟な思考をつくるためにも必要だといえるでしょう。


脳にクセをつけさせないことが大切です

かんしゃくやパニックは、お友だちとのトラブルを招きやすく、場合によっては園や学校など周囲の子どもたちから“変わった子”と思われてしまい、友だち関係をつくりずらくしてしまうこともあります。

もし、子どもに合った子育てや、園や学校が子どもに合った支援をぜずに頻繁にかんしゃくを起こさせると、脳が学習をし“かんしゃく”を起こすクセがついてしまい、怒りやすい性格になってしまうということがあるんですね。

例えば、私たちの手は右利き左利きがあるように、脳も、思考も繰り返し学習することでクセがつくのです。

私の知っているアスペルガー症候群の方は、40歳になってもすぐに怒ることが多いので、奥さんはとても困っていました。

ですから、子どもの我慢に耐える力とストレスに耐える力などを見極めながら、その子に合った接し方や、発達障がいの特性に基づいた支援をしてあげることが大切なんですね。

放っておいても直りません

子どもの頃のかんしゃくやパニックを、「子どもは放っておいても育つから大丈夫」と考えて、周囲の大人が適切な接し方や環境の調整をしないで育てると、子どもが大人になったときに、自分では直すことが難しい思考のクセが身についてしまい、とても生き辛くなってしまいます。

私自身何度も経験しましたし、発達障がいの専門医もはっきりおっしゃっていますが、大人になって直そうとしても、発達障がいの人たちは直されることが不安で怖いため、簡単に直すことができません。子どもの頃に親や周囲の大人がどう対応するかが、とても重要なります。

発達障がいの特性を理解し、子どもに合った支援をしてあげることで、かんしゃくやパニックを減らすだけでなく、子どもが自分に自信をもって生きていけるようになります。

私たち大人が、子どもの気持ちに寄り添い共感してあげることが、一番大切なことかもしれませんね。

子どものかんしゃくを減らすことができた詳しい方法は、こちらのページをご覧ください(図解入りで説明しています)。

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