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発達障がい子育て支援ブログ-オアシスの木

子どものかんしゃくとパニックについて

勝ち負けにこだわる子の理由と対応で大切なこと。

勝ち負けにこだわる子の理由と対応で大切なこと。

発達障がいの子どもにかかわらず、勝ち負けにこだわる子どもがいますよね。

勝ちたいと思う気持ち、一番になりたいと思う気持ちは、けして悪いことではありません。

ただ、負けた後のかんしゃくやパニックは親や先生にとって、周囲の状況や他の子どもたちへの影響も配慮しなければならないので、

なんでこんなに悔しがるの?
わがままに育ったのかな?
甘やかされて育ったのかな?
パニックを収めるためにはどうしたらいい?

などと困ってしまこともあるのではないでしょうか。

私も、走っこやゲーム、じゃんけんで負けてパニックになる子ども、小学校で授業中に手をあげたのに先生に当ててもらえず、かんしゃくを起こす子どもなどを初めて見たときは、どう対応したらいいかと困った経験があります。

泣きわめき、暴言や殴られたり、蹴られたり、腕をかまれたり、大変でした。

発達障がいの子どもが勝ち負けにこだわる理由

自閉症や広汎性発達障害、アスペルガー症候群、ADHD、LDなどの子が、勝ち負けにこだわる理由には、主に次のようなものが要因と考えられています。

  • 自尊心が低い(自分に自信がない)
  • 思考の柔軟性がない
  • 強いこだわりがある(不安)

自尊心が低い・自分に自信がない理由

発達障がいの子どもは、得意なことと苦手なことがはっきり分かれています。子どもの苦手なことは、生活全般・多岐にわたることが多く、発達障がいの子どもたちは、周りの子ども以上に努力を強いられているんですね。

ですから、子ども自身、『なんでこんなにがんばってもみんなと同じようにできないんだろう?』『なんでみんなは簡単にできるんだろう?』と感じる子どもたちが多いのです。

実際に私が出会った子どもたちの中には、「僕はみんなと違うんだ」「僕はみんなと同じようにできないんだ」とさびしそうに答えてくれた子どもがいました。

子どもなりに、周りの子どもたちのとの違いをうっすらと感じ取っているんですね。


思考の柔軟性がない

アスペルガー症候群や自閉症、ADHDなどの子どもは、受止め方が凝り固まっている傾向があります。

例えば、自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害という自閉症スペクトラムの人たちには次のような脳の特性があります。

複数のことを同時に考えられない。
もし○○なら・・・と考えられない。
ものごとに対する強いこだわり。
相手の気持ちやその場の空気を読んだり想像することが苦手。

ものごとを順序だてて考えることが苦手。
1つのことに集中すると他のことはまったく見えなくなる。

このような脳の特性から、思考が柔軟に働かなくなるんですね。

思考の柔軟性についてはこちらの記事をご覧下さい。

強いこだわり・不安とは?

児童精神科医で自閉症など発達障がいの専門医として有名な杉山登志郎先生が、自閉症のこだわりに関する調査を行ったところ、
250名あまりの自閉症者のうち9割以上の人になんらかのこだわりが認められ、なんと、300種類以上のこだわりの種類があったそうです。

また、杉山先生は自閉症児のこだわりについて著書の中でこう記しています。

年少の自閉症児がこれらのものをぱっと見つけるのは、われわれが異国の街角で、遠くにある日本語の看板がぱっと目につくように、何もわからない中にこれらのものだけが浮かんで見える状態なのではないでしょうか。
このようなわかりやすいものを手がかりに、自閉症児は世界を認識していくのです。
順序のこだわりは、自閉症児が世界の秩序を、彼らなりの独自のしかたで組み上げ始めたことを意味します。有名な高機能自閉症者ジュエリーは、同一性保持とは、「ものごとがこうあるべきという秩序だ」と述べています。
またテンプル・グランティンも、こだわりが、混乱を抑えるために必要なものであることを述べています。
このようにこだわりには不安に対抗する手段としての意味が、どのレベルのものにも見られます。
自閉症のお子さんは、こだわりによって初めて、われわれと共に世界を共有することができるのであるということを、忘れないでいただきたいと思います。
(杉山登志郎著:自閉症児への教育より)


私も杉山先生と同様、自閉症児のこだわりは、子どもたちにとってわかりづらいこの世界・混沌とした世界で生きていくための意味、道しるべの役割をもつものだと、自閉症の子どもや大人とかかわってきたこの10年で強く感じています。

逆に、自閉症児者にとって、こだわりがなければ、生きて行くことの意味が見出せず、毎日不安でたまらないのではないでしょうか。

こだわりの強い子への対応はどうしたらいいか?

実際に家庭や、保育園、幼稚園、小学校などの場面で子どものこだわりから生じる、かんしゃくやパニックは親や支援者にとって、かなり大変なものだと思います。

私が実践し専門の先生方の本で学んだこだわりへの対応方法は2つあります。

一つ目は

事前に勝つことも負けることもあることをわかりやくす説明し、負けときはあそこに見える木まで思いっきり走っていいルールにする。室内のときはその場で思いっきり地団駄を踏んでいいことにする。

この方法は、かんしゃくやパニックの代わりとなる行動(走る・地団駄を踏む)を子どもに提供することで、かんしゃくやパニックを軽減することを目標にした対応方法です(代替行動といいます)。

周りの子どもたちも一緒にやることで、トラブルを回避できるメリットがあります。

子どもに合ったかんしゃくやパニックの代わりとなる行動を探し、提供することで、うまくいく場合があるんですね。

ただし、この方法は子どもの成長がまだ未成熟な場合やパニックが激しい子の場合は難しいでしょう。

もう1つの方法は

勝ち負けを決めるような遊びやゲーム・学習をしない。

“かんしゃくやパニックを起こさせることはしてはならない。”これが発達障がいの子どもへの基本的対応の大原則です。

かんしゃくやパニックを起こすことをしなければ、子ども自身が困ることはありませんし、周りの子どもたちに影響を与えることもないので、私はこの方法が一番おすすめです。

かんしゃくやパニックの考え方はこちらの記事をご覧下さい。

最後に

勝ち負けにかかわらず、発達障がいの子どもがこだわりを持つ理由は、自分に自身がない。思考の柔軟性がない。強いこだわりと不安。が一番の理由です。

発達障がいの子どもたちからこだわりを取り上げてしまうと、彼らは不安でたまらなくなり、安心して生きてことはできないでしょう。

子どもたちのこだわりをうまく活用して、失敗体験にならないように育て、支援をしていくことが最も大切なことだといえます。

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