
発達障がいの子どもや大人の中には、体温調節が苦手で、暑い日や寒い日、暑い場所や冷たい場所がとても辛く感じる人がいます。
私が聞いたり調べたところ、夏は一番辛いらしく、暑さが特に苦手な子どもや大人が多いようです。
幼稚園や小学校で寝転がる子どもの姿
外で遊んで教室に戻ってきたときや、暑い日、体育の授業の後など、教室や廊下で寝転がっている子どもがいますね。
あれは、体温が上がりすぎて身体に熱がこもってしまって苦しいので、教室や廊下の冷たい床で体温を逃がしているんです(とても気持ちがいいようです)。
子どもの中には、冷たいところを探して何度も場所を変えて、寝転がっている子どももいますし、特に冷たい場所・涼しい場所を知っている子もいます。
汗をかきにくい
私たちは体温が上がると、自動的に汗が出て体温を下げようとしますが、発達障がいの子どもや大人の中には、自動的に汗が出ない人がいます。
高機能自閉症の当事者で翻訳家のニキ・リンコさんは、自動的に汗をかくことが難しいので、自分で汗を出そうとコントロールしなければならないそうです。
私たちの身体は、すべて自動的にやってくれますが、発達障がいの子どもや大人は、脳の機能障害が原因で、汗だけでなく、自動的に身体が反応してくれないことが多いんですね。
中には、歩くときに右足、左足と、意識しながら動かさないと歩けない人もいます。
汗をかきにくい身体は睡眠障害の原因にもなる
汗をかきにくいと、日中たくさんの汗を出すことができないため、寝つきが悪くなる子もいます。また、体温調節ができず、日中は汗をあまりかかないのに、寝汗はすごくかく子もいます。
アレルギー体質の子はつらい
発達障がいの子どもの中にはアレルギー体質の子がけっこういます。アトピー性皮膚炎などの持病がある子にとって、体温調節が苦手で寝汗をいっぱいかくといういことは、身体がさらに痒くなり、とても辛いと思います。
まとめ
発達障がいの子どもや大人の中には、通常は自動的に行ってくれる体温調節ができない人がいます。特に夏の季節、暑い日、暑いところが苦手で、私たちの想像以上に体力を消耗するんですね。
発達障がいの人たちは、私たちのように自動的に身体が対応することができないことがたくさんあり、体温調節ができないなことも、“単純に暑さが苦手”という認識で片付けられる問題ではありません。
親や保育士や教師などの支援者は、日頃から子どもたちをしっかり観察し、こういった特性を共感的に理解する必要があるといえます。
保育園や幼稚園、小学校などで寝転がっている子をみたら、暑さに耐えられないと認識し、絶対に叱らずにそのままにしおくか、身体を冷やすことができる他の場所を案内してあげた方が、本人たちは助かると思いますね。