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発達障がい子育て支援ブログ-オアシスの木

特徴と理解

自閉症スペクトラムと視覚の問題について、絶対に知っておきたいこと。

自閉症スペクトラムと視覚の問題について、絶対に知っておきたいこと。

自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などの自閉症スペクトラム(ASD)の子どもは、定型発達の子とは違う脳の使い方をしていることが、大学や医療機関などの研究でわかっています。

中でも、聴覚や触覚など感覚の問題と並んで、ある意味それ以上に自閉症スペクトラムの子どもたちの特性を決定づけていると考えられている“視覚の問題”について、今日は書きたいと思います。

聴覚からの情報処理

金沢大学医学部で、自閉症スペクトラムの子どもが人の声を聞いたときに、脳のどの部分が働くかについて、MEG(脳磁場計測装置)を用いて調べた結果、定型発達の子が主に左脳を働かせているのに対し、自閉症スペクトラムの子どもは、右脳を働かせて人の言葉を聞いていることがわかりました。

要するに、言葉での情報を視覚として捉えようとする脳の働きがあるというです(自閉症スペクトラムの子どもや大人は視覚的にものごとをとらえ考える傾向が強いと考えられています)。

Chek視覚的に情報を処理するとどうなるのか?
例えば、「お母さんの温もり」について思い浮かべてくださいと定型発達の子に質問をすると、「温かさ、笑顔、笑い声」などを定型発達の子は思い浮かべます。一方自閉症スペクトラムの子どもは、言葉そのものしか思い浮かべることができず、質問者の意図がわからないばかりか答えることすらできないのです(正確には頭の中で「お母さんの温もり」と文字だけ描いている)。

頭の中に思い浮かべているのは、聞いたことを文字に描いた「お母さんの温もり」という文字そのままだけなのです(個人差はあります)。

Chekなぜ言語による情報を処理することが苦手なのか?
多くの研究から、左脳にあるブローカー野とウェルニッケ野をつなぐネットワークに原因があることがわかってきました。

ブローカー野とウェルニッケ野は言葉の概念を理解する場所なのですが、このブローカー野とウェルニッケ野をつなぐネットワークが弱いために、言葉による情報処理が私たちとは違う仕方をしている原因となっているようです。

Chek視覚的な思考の優位性
自閉症スペクトラムの子どもや大人は、主に右脳を使って外部からの情報を処理する傾向があるため、視覚からの情報を優先的に処理する特性があります(個人差はあります)。

そのため視覚的な思考が優位となり、言語ではなく絵や文字を頭の中に描いて物事を考えたり、思い浮かべたり、想像したりするのです。

また、右脳を使って記憶をするため、見たことを鮮明に細かく記憶することができ、高い記憶力のせいで、先生や親に叱られたり、いじめなどの辛い体験をすると、それを鮮明に記憶してしまうため、フラッシュバックやタイムスリップ、PTSDなどに苦しめられて生きていかなければならないのです。

参考記事はこちらです。

私たちとは違う見え方をしている。

自閉症スペクトラムの子どもや大人の中には、私たちとは違う見え方をしていることが研究でわかっています。
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上の写真を見てください。

テーブルやイスなどが写っていますが、私たちはこの写真に写っている部屋に居た場合、イスやテーブルなどは立体的に見えるはずです。

しかし、自閉症スペクトラムの子どもや大人の中には、これが立体的に見えず、すべて平面に見えるため、押し迫ってくるように見える人がいます。

また、狭く強く向く注意の特性との関係から(記事はこちらです)、テーブルやイスが一つひとつ浮いて見える人もいます。

こういった視覚(見え方)の特徴があると、子供たちが大勢いるところを見たり、隊列の後ろに並んで行進するときなどに前方を見ると、すべてがいっぺんに押し迫ってくるように見えるので、大勢の人がいるところを怖がったり、列に並ぶのを嫌がる子どもがいるのです。

私の知っている人の中には、書店や図書館で本が並んでいるのを見ると迫ってくるように見えて怖い。自動車を運転して渋滞に遭遇したときに前方を見ると、前に見える車がすべて平面に見えて押し迫ってくるように見えるので怖いと言っていました。


光が苦手

昼間の太陽光、部屋の蛍光灯が私たちよりも何十倍もまぶしく感じる子どもや大人がいます。

中には、夜寝るときや薄暗くなったとき以外、ずっとサングラスをしている子どもや大人もいます。

光に過敏な子どもは、外遊びを嫌がったり、体育の時間を嫌がったりしますし、大人になっても外出をしたがらない人もいます。

みんな同じだと思っている

発達障がいのある子どもや大人は、このような視覚の特性や、聴覚過敏、触覚過敏の問題を、他の人たちも自分と同じように見え、感じていると思っています。

そもそも、私たちのような感覚を体験したことがないので、自分と他人の見え方や感じ方の違いがわからないのです。


私たち大人が気づいてあげる

自閉症スペクトラムの子どもや大人は、私たちとは違う情報の受け方、世界の見え方、感じ方をしています。

単純に、指示が伝わらない、空気が読めない、話がかみ合わないなど、“発達障がい”、という表面的な側面だけを見ていては、永遠に彼らを理解し一人ひとりに合った子育てや支援は難しいといえるでしょう。

私たち大人がしっかりと子どもたちの特性を見極め、その子が抱える脳(認知)の問題、身体機能の問題がわかれば、その子に合った子育てや支援が必ず見えてきますし、好ましくない言動・気になる行動も理解できると思います。

手の不自由な人が、鉛筆を持って字を書くことができなかったとき、それをわがままや甘えと捉えて、過度にトレーニングをさせたり、叱ったり、無理にがんばらせる人はいません。

発達障がい、自閉症スペクトラムの脳の問題、身体機能の問題をしっかり理解すれば、わがままや甘え、叱責などすることはできないでしょう。

確かに自閉症を理解することは、難しいかもしれません。

でも、私たちの理解と支援がなければ、彼らの生き辛さを増大させてしまいます。

そうならないように、私たちはあたたかい目で発達障がいの子供たちを見て、やさしく丁寧に支援をしてあげたいですね。

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