
こんにちは、平良です。
発達障がいの子に限らないことかもしれませんが、子どもたちの中には、学校へ持っていくものや宿題を忘れたり、約束を忘れたり、今言われたことを忘れたり、とにかくあらゆるものを忘れる子どもがいます。
何度注意されても、同じこと、同じものを忘れてしまう子がいるんですね。
なぜ発達障がいの子は、忘れ物が多いのでしょうか?
よくある忘れる場面。
- 親や先生に言われたことを忘れる。
- 友達と約束したことを忘れる。
- 宿題を忘れる。
- 時間割を忘れる。
- さっきやっていたことを忘れる。
- 園や学校からもらった手紙を渡し忘れる。
- 自分の持ち物かわからなくなる。
- すぐにものをなくす。
- 何度も落し物をする。
なぜ忘れ物が多いのか?
発達障がいの子に忘れ物が多いのは、記憶力の問題です。特に短期記憶(ワーキングメモリともいわれています。)の力が弱いため、今言われたことでも、他のことに興味が移ったとたん、すぐに忘れてしまうのです。
通常の短期記憶は、指示されたことや、出来事を、しばらくの時間脳の中に留めておくことができます。しかし、特にADHDの子どもに多くみられるような物忘れは、脳の機能の問題から短期的な記憶を脳に保存しておくことができないんですね。
ですから、決してわざと忘れているわけではなく、どうしても覚えておくことができないため、何度注意をしても、何度落し物をしても、忘れ物を繰り返してしまうのです。
※指示が通らないことについて書いた記事はこちらです。
支援の手立て
Check絶対に叱らない
忘れ物が多いからといって、その都度注意をしたり叱ってはいけません。子ども自身ではどうにもならない問題だということを親や教師は認識し、忘れ物をしたときに、子どもが授業を受けられない、子どもが困ってしまうことがないように、親や教師が手助けをしたり、一緒に準備をしたり、忘れることを見越して準備をしておくことが大切です。
例えば、時間割を一緒に調べてあげたり、メモを一緒にとってあげたり、メモしたものを首にさげる工夫をしてあげたり、子どもに合った様々な支援が考えられます。
また授業に必要なものは学校に置いておく。筆記用具などは学校に予備を準備しておく。教科書を忘れた時は隣の子にみせてもらうなどの工夫も必要です。
忘れ物を防ぐことは、子ども自身の努力では限界があります(特に小学生までは)。子どもの忘れ物は、周囲の大人の支援がうまくいっていないと考えることが大切ではないでしょうか。
Checkメモの習慣を身につけさせる
忘れ物の予防策として、よくある方法がメモをつける習慣を身につけさせることですが、メモをしても家に帰って親に見せ忘れることもありますし、せっかくメモをしても見ることすら忘れてしまうことがあります。
だからといって、メモは意味がないのか?というとそうではなく、メモをする習慣は成長に伴って必ず役に立ちますので、子どものときからメモするクセを身につけさせましょう。
まとめ
発達障がいの子が忘れ物をするのは、記憶力の弱さが問題です。覚えたことを一旦頭の中に留めておくことができないのですから、子どもたちの努力ではどうにもならないのです。
忘れたからといって、絶対に注意をしたり叱ってはいけませんし、発達障がいの特性は、忘れ物だけではなく、ADHDであれば落ち着きがなかったり、授業に集中できなかったり、他にも支援しなければならないことがたくさんあります。
小学校の6年間までは(もちろん社会に出ても必要です)、親と教師がしっかり話し合い、子どもの特性に合った支援をすることが最も大切でしょう。
私のかかわっている大人のADHDの女性は、社会人として働く今でも忘れ物が多いのですが、メモをしたり付箋紙をつかったり、首からメモを入れた透明のケースをぶら下げたり、一生懸命自分なりに工夫をして仕事をしています。
しかし、それでも突発的な上司の指示は忘れてしまうことが何度かあったので、私が職場の上司に話して協力をしてもらったんですね。
私たち大人が、発達障がいの子どもたちの困っていることを見つけてあげること。それが支援の第一歩です。