
こんにちは、平良です。
突然ですが、みなさんは自分の子どもを抱きしめてあげてますか?
園や学校の先生は、クラスの子どもたちを抱きしめてあげてますか?
発達障がいの子の中には、お父さんやお母さんに「ギューして」と言う子がいます。
中には、幼稚園や小学校の先生や支援員に対しても「ギューして」と言う子がいるんですね。
なぜ抱きしめてもらいたのでしょうか?
それは、不安でたまらなくなり頭が混乱しそうなので、落ち着くために親や親しい大人に抱きしめてもらいたいからです。
こちらの記事にも書きましたが、発達障がいの子は不安になるとクルクルまわたったり、手のひらを動かしてずっと見ていたり、かかと歩きやつま先歩きをしたり、水道の水を出してただ眺めていたりすることで自己刺激というものを作り出して、不安になった心を落ちつけようとします。
子どもの「ギューして」も、発達障がいの子が不安になったときにする自己刺激行動(自分で刺激をつくりだして落ちつこうとする行為)と同じ効果があるので、抱きしめてもらうと不安が少なくなり落ちつくことができるんですね。
なぜ不安になるのでしょうか?
発達障がいの子どもが、不安になる要因はたくさんあるのですが、自閉症や広汎性発達障害、アスペルガー症候群など自閉症スペクトラムの傾向がある子や診断を受けている子の場合は、何かに集中している以外のほとんどの時間を、不安だと思っていいでしょう。
ある高機能自閉症の人は、常に不安なので、大人になった今でも肌触りのいいスベスベする布を持ち歩いています。触っていることで不安が軽減できるからだそうです。
また、アメリカの大学で教授をされている高機能自閉症の当事者として有名なテンプルグランティンさんは、不安を軽減するために自分で締め付け機をつくったほどです。
テンプルさんは、自分でつくった締め付け機に入って、機械にからだを抱きしめてもらうことで不安を軽減しているんですね。
それくらい自閉症スペクトラムの子どもや大人は不安が強いのです。
※帝京科学大学にテンプルグランティンさんが考案した締め付け機があります。
子どもが求めてきたら
子どもが「ギューして」と求めてきたときは、子どものSOSです。子どもが不安な状態だということに共感してあげてください。
そして、少しきついかもしれないなぁと思うくらい力を入れて抱きしめてあげましょう。
子どもが不安そうなときは
家庭や保育園・幼稚園・小学校などで、発達障がいの子・発達が気になる子が不安そうにしていたり、いつもと違う様子だったり、自己刺激行動をしたときは、愛情をいっぱい込めて「ギューッと」ハグしてあげてください。
ホッとした表情をする子、うれしそうな表情をする子、いろんな子がいますが、子どもは大人に抱きしめてもらうと不安がやわらぎ、落ち着くことができるのです。
先生もハグしてください
できれば家族だけでなく、幼稚園や小学校の先生や支援員も最低1日に2回以上はハグしてあげてください。
先生が子どもを抱きしめてあげることで、園や学校で常に不安を抱えた子どもたちも、心を落ちつける時間をつくることができますし、スキンシップをとることで子どもは先生対して信頼するようになるからです。
最後に
発達障がいの子どもが「ギューして」と言ったときは、不安が強いときだと理解しましょう。
そして、少し強めに抱きしめてあげてください。
抱きしめてあげることで不安がやわらぎ心を落ちつけることができます。
ただ、本来なら子どもが「ギューして」言わないような、子育てや支援をすることが大切です。
家庭の中で頻繁に子どもが「ギューして」と言うようなときは、園や学校で子どもに合った支援をされていないことがほとんどです。
放っておくと子どもでも簡単に不安障害になり、お薬に頼らざるを得なくなってしまいます。
大人の無配慮で子どもに辛い思いをさせないためにも、園や学校は保護者と連携して子ども一人ひとりに合った支援をすることが一番大切ですね。