
発達障がいの子ども、特に自閉症スペクトラムの子どもは、独自の世界観を持って日々を過ごし、生きています。
例えば、電車や船、飛行機、バス、動物、好きなアニメなど、一つまたは複数のことにこだわりを持っていて、そのこだわりを中心に世界をみているようなときがあります。
とくに保育園・幼稚園から小学校低学年にかけては、自分の好きなこと、やりたいことに強くこだわることが多いです。
こういう特性があると、まわりの人とのコミュニケーションも相手の立場や状況を読みとることが苦手なので、一方的に自分の好きなこと、言いたいことを話しかけたりすることが多いんですね。
このような一見、自分勝手ともとれる言動も、脳の機能の問題で起こっているのです。
子どもの世界に入ることが始めの一歩。
発達障がいの子どもはコミュニケーションを取ることが苦手な子、一方的なコミュニケーションになりがちな子が多いのですが、こういった特性をもつ子どもとのコミュニケーションの第一歩は、子どもの世界に入り込むことです。
具体的に説明すると、特に学童期の子どもは好きなことや自分の興味のあること以外に興味を示したり、自分から進んでやったりすることはほとんどありません。
子どもの好きなこと、興味のあることを一緒に遊んだり、話題にして話を聴いてあげたりすることで、親や教師などの支援者に愛着を感じ、安心することができます。
コミュニケーションが苦手な子どもにとって、大人が子どもの世界に入ってきてくれると子どもはとても助かりますし、いつも不安を抱えている子どもにとって救世主のような存在になるのです。
逆にまわりの大人が子どもの世界に入ってくれなかったら、子どもの不安感は増大し、自分に自信がもてなくなってしまうことにつながります。
自分の世界に入ってくれる人が安心。
発達障がいの子どもたちは、嫌なことを押し付ける大人は苦手です。
しかし、いつも子どもの世界に入ってコミュニケーションをとってくれる人とは徐々に信頼関係が構築されていくので、
信頼関係がしっかり築けている大人と一緒なら、子どもがやりやすいようにハードルを下げてあげたり、簡単にできるようにお膳立てすると、1人でできるように努力することもありますし、一緒にやればできるようになります。
まとめ
子ども一人ひとりの世界にまわりの大人が入ってコミュニケーションをしっかりとることが一番大切ですね。
自分の世界に入ってきてくれる、自分を理解してくれる大人とのコミュニケーションを通じて、子どもは家庭や園・学校で安心して過ごすことができ、自分に自信がもてるようになります。
逆に子どもの世界に合わせない一方的な大人のおしつけ的なコミュニケーションは、子どもは安心できませんし、自分に自信をなくしてしまうことにつながります。
子どもの心を育てる、子どもが安心できるコミュニケーションを私たち大人は、常に心がけていたいものですね。